Midnight Monologues

日々勉強したことを書いてきます

ハニーポット運用(月次報告:2020年12月)

今月のTopics

12/19に開催されたSECCON 2020 電脳会議に1セッションだけ参加した。

「さくらでのゼロトラスト」という、VPNによる境界型防御モデルからゼロトラストモデルへの変更事例に関する内容であった。

VPN接続では業務利用において、以下2点の課題がある。
① 認証時のセキュリティを突破されると無防備に内部情報が露呈する。
② リモートワーク推進による接続者数の増加に伴い、レイテンシーが発生する。

セキュリティ上は①が問題になるが、実業務においては②の方が深刻度が高い(と個人的に思う)。
VPN接続が重すぎてまともに仕事ができない問題が(特に週明けに)多発することが多い会社さんは多いのでないだろうか?
そういう点で非常に参考になる講演だった。

以下のサイトでは主な論点が述べられている。

knowledge.sakura.ad.jp

今月のChangelog

2020/12/28 変更

SQlite DBの修正
GitHub Container Registry(ghcr.io)の利用停止
・netselect-aptの削除

2020/12/10 変更

・Elastic Stackを7.10.1へEWSPosterを1.12へ変更

2020/12/02 変更

・Elastic Stackを7.10.0へアップデート

前提条件

運用日時:2020年12月1日-2020年12月31日
運用期間:31日

結果

①各ハニーポットで検知したAttack件数
  • T-Potを構成する各ハニーポットへの攻撃件数の一覧を以下に記載する。
No ハニーポット 件数 先月比
1 Dionaea 5,939,221 △1,333,711
2 Cowrie 4,214,929 △287,632
3 Honeytrap 940,520 △673,601
4 Rdpy 149,669 △91,561
5 Heralding 54,778 ▲174,737
6 Mailoney 29,096 ▲59,348
7 Tanner 6,967 △2,549
8 Adbhoney 3,636 ▲169
9 Medpot 3,343 △3,335
10 Ciscoasa 1,150 ▲595
11 CitrixHoneypot 1,037 △252
12 ConPot 703 △507
13 ElasticPot 668 △55
  • Result

接続元SourceIPの上位5番目までの分布は以下の通り。

No SourceIP City Per
1 40.126.255.229 Sydney 75.8%
2 185.202.0.18 London 4.2%
3 194.61.54.112 Moscow 4.0%
4 94.232.43.39 Yekaterinburg 3.2%
5 213.108.134.117 Moscow 3.0%

②攻撃元の国名と件数(Top 20)
No 攻撃元の国名 件数 先月順位
1 Ireland 1,469,243 1(→)
2 Russia 1,237,083 2(→)
3 Vietnam 1,059,920 3(→)
4 China 839,877 4(→)
5 India 692,817 7(↑)
6 Panama 506,059 6(→)
7 United States 435,298 5(↓)
8 Indonesia 367,363 9(↑)
9 Brazil 367,284 8(↓)
10 Venezuela 292,178 10(→)
11 Hong Kong 287,504 圏外(↑)
12 Turkey 255,283 13(↑)
13 Taiwan 208,298 15(↑)
14 Thailand 190,273 17(↑)
15 Romania 162,844 圏外(↑)
16 Ukraine 148,631 14(↓)
17 Pakistan 148,266 20(↑)
18 Egypt 144,414 19(↑)
19 Mexico 125,993 圏外(↑)
20 Germany 125,968 11(↓)

③検知したCVEの脆弱性と件数
  • Suricata(オープンIPS)にて検知した各攻撃の脆弱性の内容を以下に記載する。
No CVE ID CNT
1 CVE-2020-11899 3,745,910
2 CVE-2019-12263 CVE-2019-12261 CVE-2019-12260 CVE-2019-12255 36
3 CVE-2019-0708 CVE-2019-0708 CVE-2019-0708 26
4 CVE-2017-0143 3
  • Result
    • Ripple20の攻撃が300万件を超えていた。先月が5万件程度だったので著しい増加量である。
    • 新規の攻撃は無し。

④よく攻撃されるユーザ名
  • ユーザ名でよく攻撃されるキーワード(Top 20)で記載する。
No ユーザ名 件数
1 root 268,671
2 admin 88,180
3 user 70,029
4 sa 15,307
5 support 6,918
6 nproc 6,056
7 test 5,464
8 guest 3,705
9 ubnt 2,534
10 22 1,767
11 postgres 1,691
12 oracle 1,409
13 ubuntu 1,313
14 Admin 1,108
15 git 839
16 mysql 682
17 sh 596
18 ftpuser 585
19 www 529
20 nagios 502
  • Result
    • 先月から変更なし
    • 年間を通してみると、昨年までのsaユーザ(Microsoft SQL Serverの管理者ユーザ)に対する攻撃が下火になった反面、root/admin/userなどクライアント接続用ユーザへの攻撃が増加した

⑤よく攻撃されるパスワード
  • パスワードでよく攻撃されるキーワード(Top 20)を以下に記載する。
No パスワード 件数
1 admin 207,442
2 user 67,841
3 root 24,971
4 123456 12,149
5 password 9,896
6 support 6,682
7 nproc 6,056
8 1234 5,545
9 4,354
10 123 4,210
11 test 3,360
12 12345 2,899
13 ubnt 2,778
14 guest 2,271
15 & 1,861
16 password123 1,855
17 1 1,296
18 12345678 910
19 Admin 901
20 admin123 879
  • Result
    • 先月から変更なし

最後に

  • 昨年は1年お世話になりました。今年も1年、宜しくお願いします。
  • オリンピック開催期間中を目的とした本ハニーポット観察ですが、今年も継続しますので引き続きお付き合い下さい。
  • 今年はCISSPの取得を目指します。